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2022年 2月 25日 プレゼン好きだった私の生徒

3年前、私の担当していた生徒の中に面白い人が居ました。

週1回のグループミーティングのときに毎週必ず、自分が取り組んだ数学の難問の解説プリントを自作して持ってくるのです。B4用紙一面に、ときには両面に渡ってびっしりと解説を書き、わざわざ校舎近くのコンビニで人数分コピーをしていました。

そしてグループミーティングのメンバーに問題の概要、解答方針、自分が工夫したところ、苦戦したところを楽しそうにプレゼンするのです。その語り口が実に楽しそうで、しかも解説がわかりやすいので、私も含め全員が感心して聞いていました。

 

高3になり入試期に突入するとグループミーティングは一旦解散します。しかし彼は解散後も、かつてのグループミーティングの時間に私を呼び出し、私のために解説を作って授業をしてくれました。それを知ってか知らぬか他のメンバーもときどき集まって、入試期でもプチグループミティングを勝手にやっているというような光景がありました。

 

そんな彼は医学部に合格し、夢に向かって勉強しています。

 

当時彼の様子を見ていた私は、時間がない中でよくまあ毎週のように手の込んだことをするものだと面白がっていただけなのですが、いま振り返ってみると彼の行為の本質に私は気づいていませんでした。

 

彼は人に教えることで勉強をしていたのです。アウトプットすることで自分の記憶を整理し定着させるということを大胆にもグループミーティングの中で実践していたのです。

思い返せば、グループミーティング後、ホームクラスに戻って勉強している彼の手元を後ろからこっそりチラ見すると、配ったプリントに何か書き加えたりしていることがありました。おそらく、自分が説明する中で見つけた矛盾や曖昧な部分を点検していたのだと思います。きっと彼にとってはグループミーティングでのプレゼンが最高の勉強の場所だったのです。

 

みんなが勉強になる、でも実は当の本人が一番勉強になる。だれも損はしてないけど、一本取られたなあと3年越しにひとりで苦笑いしてしまいました。

 

2月13日の朝日新聞「受験する君へ」というコラムで脳科学者の池谷裕二さんがアウトプットの意義について以下のように述べています。

 

「(前略)入力した内容を思い出すプロセスも重視します。古代からさまざまな勉強法がありますが、出力による定着に勝る方法が今のところ見つかっていません。勉強したことを周囲に説明してみてください。意外と、わかっていたつもり、にとどまっていることが少なくありません。試験で大切なことは、どれだけ思い出せるか、です。出力は記憶の定着だけでなく緊張への耐性を生みます。たとえば音楽は出力の練習です。ピアノで言えば、頭の中に入っている音楽を指を通じて形作ります。コンクールの本番では緊張し、頭が真っ白になっても弾けてしましまいます。出力の練習をしているからです。」

 

吉祥寺校には音読スペースがあります。そこで英語長文の音読や理科・社会科目のセルフ授業をしている生徒が去年はたくさん居ました。今年はその姿が少ないように思います。

恥ずかしがらずに大きな声を出してアウトプットをしてみてはどうでしょうか。

 

高速基礎マスターは最高のアウトプットコンテンツです。毎日続かない、やる気が出ないという人は、池谷先生の言葉を踏まえてその意義を今一度考え直すべきだと思います。

 

アウトプットは疲れるし、それを毎日続けることは険しい道のりです。しかしそれをやりきった先に見える景色はまた格別でしょう。

 

今度、プレゼン好きの彼に会ったときは当時の彼の考えを聞いてみようと思います。私の予想が当たっているといいのですが、、

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