あたりまえ。 | 東進ハイスクール吉祥寺校|東京都

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2020年 5月 10日 あたりまえ。

長らく読書から遠ざかっていた僕が

この一ヶ月で10冊ほど本を読んだ。

 

人間万事塞翁が馬

といったところだろうか。

 

個人的な話ではあるが、

学部選択が夏に迫っているということもあって、

アカデミックな内容の本を数冊読んだ。

 

昨年度の授業を通して、

社会学に興味が湧いたので、

見田宗介の「社会学入門」(岩波新書)を購読した。

 

自分の中で咀嚼できたところが、半分、

ボンヤリとしか掴めなかったところが半分、

と言った感じで、これは本当に入門なのだろうか、、、

と若干面食らったところもあるのだが、

 

『自明性の罠からの解放』

というキーワードがとても印象に残った。

 

社会学、特に比較社会学は、その一つの存在意義として、

この社会において、空気の存在のように自明であるように思われる事柄を

時間・空間・文化を異にした他の社会と比較することで

全くもって、当たり前でないものとして捉えなおさせてくれる。

 

もっと噛み砕いていえば、

様々な社会の比較を通して、

この社会で当たり前だと思われていることを 

当たり前ではないこととして、捉え直す

というのが大体の意味である。

 

さて、話は変わって、、、

 

私たちが生きている、今この時代に、

コロナウイルスの流行はこの社会のあり方を大きく変容させている。

 

朝起きて、ご飯を食べたら、

外に出かけ、

人と会話をし、ご飯を食べ、

生産的活動をする。

 

という、およそ誰もが奪われることを予想しなかったであろう

当たり前が失われている。

 

学校ではなく、職場ではなく、

家で授業を受ける、

家で仕事をする。

 

新しい動きが社会の中で定着していく中で、

今までの「当たり前」が見つめなおされている。

 

学校教育は果たして、通信授業で代替可能なのであろうか、

可能でないとすれば、通信教育には何が欠けているのか、

つまるところ、それは、「学校教育とは何か」という根源的な問いに行き着くのではないか。

 

果たして、都心の職場に向かうために

毎日ギュウギュウ詰めの満員電車に揺られる必要はあるのだろうか。

 

テレワークは

育児と仕事の両立

はたまた、地方創生という課題に対しての

打開案にはなり得ないだろうか。

 

さらに、

仮に、この「家から出れない」状態が死ぬまで続くと仮定したら、

今度は、

人間は何のために生きているのか、

という問いが新しい様相を帯びて

私達の前に現れてこないだろうか。

 

もっと、大胆な思考実験を想定してみよう。

家から一歩でも外に出れば、

ウイルスに感染し、確実に死ぬ。

しかし、このウイルスのワクチンは、向こう100年間は作られない。

という世界を想定した時、

果たして、私達は現実を生きることにどれだけの価値を見出すことができるのだろう。

経験機械

(脳をつなぐことで、全てが現実世界と同じように知覚される仮想現実の中で、

それが仮想現実の世界であるとは知らずに、その世界を経験することができる機械と仮定して)

の中で、一生を過ごすという選択は

それでもやはり、多くの人に直感的に否定されるのだろうか。

 

社会学から始まり、最後は哲学的な話まで、

話がどんどん広がってしまったが

 

簡単にまとめると、

 

今、この期間は、以前までの「当たり前」を

俯瞰した状態で見つめ直す、絶好の機会であるということだ。

 

さて、

このブログを見てくれている受験生の皆さんは、

今、何を感じているだろうか。

 

学校、部活、友達、

家族、受験、人生、、、

 

多かれ少なかれ、

この日常の変化、変容に対して、何か感じているところがあるのではないだろうか。

是非、一度、今までの「当たり前」の自分、日常を見つめ直してみて欲しいと思う。

きっと何か新しい発見が、新しい考えが、見えてくるのではないだろうか。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

てっきり4月のブログ

(https://www.toshin-kichijoji.com/commencement/)

が最後だと思っていたので、

書くことに迷ってしまいましたが、

今、思っていることを取り留めもなく書いてみました。

(できれば3月のブログも合わせてみていただければと思います。

https://www.toshin-kichijoji.com/担任助手のすべて%E3%80%80國枝健/)

 

これが正真正銘、最後のブログです。

今まで、ありがとうございました!

みなさんのことをこれからも応援しています!

國枝健