過去問、なんでやるの? | 東進ハイスクール 吉祥寺南口校 大学受験の予備校・塾|東京都

東進ハイスクール 吉祥寺南口校 » ブログ » 過去問、なんでやるの?

ブログ

2020年 11月 18日 過去問、なんでやるの?

こんにちは、飯島です。

9/14のブログに併願校の選び方を書きましたが、その記事の中で過去問について言及しました。今回は、その時あまり触れられなかった「過去問をやる意味」について詳しく話したいと思います。

みなさん、東進に通っている人は特に、「過去問をやれ!」と死ぬほど言われると思いますが、何のために過去問をやっていますか?「実際に受ける大学の問題と同じ形式のものを解いて慣れておこう!」などでしょうか。当然これは重要なことですが、今回はもう少し深掘りして考えてみましょう。

皆さんの勉強の目標を「入試を突破すること」とここでは仮定してみましょう(実際にはもっと先まで見据えてくださいね)。そうすると、皆さんが頑張って勉強する理由は「入試本番前にできる限りのことをやっておく・知っておく」ためということになります。このために過去問がどう役立つのか、少し考えてみてください。

考えましたか?

入試突破のために必要なものは、教科ごとの普遍的な学力・知識はもちろんですが、それだけで十分とは言い切れません。十分な知識がある状態で、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、その大学の出題の傾向や解答の形式を知っておくことが重要となります。ここで、「知っておく」とは、単にそれらを情報として知っていることにとどまらず、実際にそれが自分にとってどういうものなのか、実感を持って理解することを指します。つまり、実際に問題を解いてみることで、解くにはどのような知識が必要なのか、どのような時間配分で解けば良いのか、自分なりの答えを見つける、ということです。

単に過去問を解きまくるだけでは、その他の問題演習と大差ない成果しかもたらしません。問題を解きながら、本番を想定して分析を行ない、その結果を後々に活かすことが必要です。それができて初めて、過去問演習を行なう意味があります。

スタッフに言われたから仕方なく過去問をやる、という人がもしかしたらいるかもしれませんが、上記のような視点を持って取り組んでいただけると、より大きな成果につながると思います。

では、具体的に何を知れば良いのか、以下に簡単に述べます。

まず、出題・回答の形式を知ることです。選択問題がいくつで、記述問題がいくつで、制限時間は何分で……などなど。これらを調べた上で、自分がとれる最大の得点を稼ぐためにはどのような順番で、何分ずつ時間を使えば良いのか、自分に合ったものをトライアンドエラーで検証する必要があります。なお、これらは流動的であることも多いので、志望度の高い大学であれば、最低でも1015年分は遡って確認したほうが良いでしょう。

それから、出題の傾向を知ることです。この大学ではサイエンスに関連した英語長文が出やすい、数学でベクトルが毎回出る、現代文は安定して得点しにくい……などなど。主観込みで分析してみましょう。他の人が簡単だ、得点源だ、あるいは、これは取れない、悪問、などと言っていても、それはあくまで一般的な評価に過ぎませんので、あなたに当てはまるとは限りません。二次情報に踊らされず、自分の目と耳と頭で確かめてみることが大切です。特に、大学によっては数年周期で出題傾向がサイクリック(循環的?)に変化していることもありますので、志望どの高くない大学でも、赤本等で出題傾向(頻出分野など)については深掘りして追ってみると良いでしょう。

あとは配点も重要です。問題が共通でも、科目ごとの配点が異なることがよくあります。やりたいことベースで基本的には選んでほしいですが、合格を貪欲に取りに行くのであれば、配点を受験校選びのひとつの軸にするのも大いにありです。合格を第一に考えると、配点の低い科目に多くの時間をかけるのは、利口とは言えません。高3の方は特に、このくらいの時期になったらその辺も考えないといけないでしょう。

基本的には以上で十分ですが、もう一つ、見逃しがちなことがあるので、追記しておきます。大学学部によっては、複数の入試形式が存在し、合格のチャンスが複数回あります。一般入試、全学部入試、共通テスト利用(旧センター利用)入試、配点にとどまらず、受験科目の組み合わせが複数パターンある、必要な科目数すら違う……などなど。同じ大学でも、入試形式や科目選択の仕方によって難易度や合格の水準が大きく変化します。同じ大学の同じ学部学科、同じ受験科目でも出題の形式・傾向が異なることがあります。自分がどの方式で受けるべきなのかを事前に検討することも、過去問演習の一環といえるでしょう。

長々と書きましたが、結局言いたいことは、「入試本番の会場で試験を開始する直前までにできることは全てやっておけ」ということです。最初に言ったまんまです。本番の実際の問題は当日試験を開始するまでわかりませんが、それでも事前にできることはいくらでもあります。それを今から本番直前まで、全力でやりましょう。

吉祥寺校 飯島